森林整備への取り組み

(1)森林整備への取り組み
予算規模でみた本県の平成17年度の森林・林業関係予算総額は約101.2億円であり、そのうち18億円が森林整備にかかる予算となっています。その内 訳は公共造林事業が約9.4億円、治山事業による森林整備事業が8.3億円、県単独事業の造林事業が約0.2億円となっています。
平成12年度から平成15年度までの事業費及び事業面積の推移は次に示すように新しい事業の活用などから微増しています。また、事業別に見てみますと造林事業にかかる事業費及び事業面積は微減、一方治山事業にかかる事業費及び事業面積は微増の傾向となっています。
森林整備のうち、植栽面積はここ数年は350ha前後で推移しており、約1万haの森林整備面積の大部分は除間伐施業を実施しています。

森林整備

森林整備の推移のポイント

(森林整備事業費)
・図-1のグラフから、平成12年、平成13年と約20億円で推移しているが、平成14年度からは新たな事業を追加し、約23億円で推移している。
・図-2のグラフも同様に、平成12年、平成13年と約12億円で推移しているが、平成14年度からは約15億円で推移している。
・造林事業が微減、治山事業が微増の傾向にある
(森林整備事業面積)
・図-3のグラフから、約1万haで推移している。
・図-4のグラフから、8千haから9千haで推移している。
・造林事業が微減、治山事業が微増の傾向にある

(2)新たな考えによる森林整備
平成13年の森林・林業基本法の改正により、国の森林・林業施策は従来の木材生産を主体とした政策から、森林が持つ公益的機能を持続的に発揮させるための政策へと大きく転換しました。本県もそれに従い「緑の雇用」を積極的に推進する中で、貴重な環境資源である森林を守り、適正に管理し、健康で環境に優しい木材を適切に生産することを基本姿勢とする「和歌山県森林・林業・木材産業基本ビジョン」を平成15年4月に策定し、新しい森林の創造についての方向性を示しています。
本県では「緑の雇用」の推進に伴い、生産目標を失い放置された森林で環境保全を重視する森林を「環境林」として位置づけ整備を進めています。具体的には、熊野古道等の歴史や文化遺産周辺の景観を形成する森林や、スギ・ヒノキ林の内、尾根筋等の生育不良地の森林、間伐等手入れが行われず荒廃した森林の内、特に環境保全を重視する森林について、強度の間伐により森林内に太陽光を入れ、針広混交林に導くこととしています。

「和歌山県森林・林業・木材産業基本ビジョン」の基本理念と施策
基本理念:21世紀の新しい森林の創造に向けて、活かし・守り・育む豊かな緑
1 緑を活かす~活力ある林業・木材産業づくり~
(1)広域エリアでの素材供給体制の確立
(2)高密路網の整備と高性能機械化の促進
(3)林業経営の安定と担い手の育成
(4)林業・木材利用技術の開発推進
(5)木材の利用促進
(6)木材流通加工体制の高度化
2 緑を守る~多様で健全な森林づくり~
(1)多様で持続可能な森林資源の造成と活用
(2)緑とのふれあいの促進
(3)みどりのアクションプログラムの推進
(4)生活を支える森林資源の保全
3 緑を育む~魅力あふれる林業・山村地域づくり~
(1)交通・情報網等の整備
(2)生活環境の整備
(3)産業基盤の整備
(4)交流の促進
(5)地域の担い手の育成・確保
「緑の雇用」による環境林づくり


はじめに森林の有する公益的機能について森林・林業の現状等について増加する荒廃森林 森林整備への取組み県民参加による森林整備おわりに