紀の国森づくり税と花粉症対策(本文)

                                          平成18年9月28日(木) 14:00~
                                                県議会第1・2委員会室

  ○自民党県議団研修会

  テーマ  「紀の国森づくり税と花粉症対策」

  講師   大阪医科大学付属病院長
        竹 中  洋 氏(耳鼻咽喉科教授)

  参加者  自民党和歌山県議団、県職員及び関係者

 地方公共団体等で色々森林整備の保全の取組をされていることは、我々医療に携わるものとして知っておりますが、森林環境税を
どのように使っていくか検討中である旨、先日、中村議員から話を受けた。
 今一番大きな問題は、多分国会議員の中にもハクション議連があるように、スギ花粉症の方は日本中で、本土(北海道と沖縄を除く
地域)で、40%位の人が花粉症若しくは花粉症予備軍である。
 その一番大きな理由は、拡大造林、国の政策としてスギ、ヒノキを植え続けて、現実国土の35%はスギ、ヒノキになっている。
ただ、民間林業と国有林というのは地域によってかなり異なる。
 近畿地方の特性は、実生のスギが少ないということであろうと思うが、先ほどのお話を聞いていると、実生のスギもたくさんある
ということであった。何かというと典型的なのは、吉野や北山のスギは、台スギがあり、親のスギを、今で言うスギクローンとか科
学技術でいいスギを持ってくるのではなくて、建材に良いな、家具にするのに良いなというスギを残してその枝を挿し木で増やす。
 実生というのは後で花粉の飛び方を見ていただくが、とりあえず、スギの苗床にスギ苗を作る。生殖活動でたくさん実をつけたス
ギから実をとってきて、畑のようにスギの実をまいて、そこから出てきたスギを植えにまわる。もともとスギの木の特性が違う。実
生のスギというのは、たくさん花粉を飛ばして、たくさん実をつける。北山スギなどは、できるだけまっすぐ上に伸びて、早く太く
なってくれる特性があるスギを残そうとする。そこらが林業のあり方によって、完全にスギに対する考え方が違う。実は何故このご
ろ花粉症が増えたのか。昔桜の花が咲く頃山の中で住む人は桜目といって目がかゆくなる。そういう風土病的なものがあった。
 それは風土病ではなくて、ヒノキの花粉とか他の花粉で目がかゆくなる。そういうものがあったのだが、花粉の産生度値が確実に
増加している。それから、住環境の変化、建材の変化による木造建築の衰退により山林が固定化し、花粉が飛んで来る場所がいつも
同じ場所である。
 そして若年者の都市集中による排ガスの影響がある。これはディーゼル内燃機関の排ガスは、花粉症のなりやすさを5倍から10倍
高めるというデータが出ている。
 あるいは感染症や寄生虫疾患が減少して、かなり私の知っている患者さんでは2歳で発症した花粉症児もいる。
 また、大きいのはこの頃寿命が延びた原因として、先生方どのようにお考えなのか。
戦争が無くなって若齢死亡者が減った。結核が無くなって若齢死亡者が減った。結核が無くなったのは、ストレプトマイシン、カナ
マイシンなどの薬が出たためである。
 こういうのをイノベーションという。科学的技術の改革で飛躍的に病気が無くなる現象をいうが、実は、花粉症に対しては、そう
いうものはない。
 それでは、花粉発生はどこでおこっているのか、決して山全体でおこっているのではない。後で観察の結果を見せるが、実は辺縁
木、花粉が一番飛ぶのはスギの木が斜面に全部植えられているとその斜面の太陽を浴びる部分にだけ葉がつく。その葉のついている
ところだけにしか花粉を飛ばすものがないわけです。そうすると林の周辺、辺縁木というが、そこが一番大きな花粉の発生部位となる。
 それから、孤立木、町の真ん中に立っている神社のスギ。ヒマラヤスギはスギと同じように花粉を飛ばす樹種であることをご存じ
ですか。学校の周辺にたくさん植えられている、あるいは今回、新宮殿下が、有田が関係するのですかコウヤマキ、あれもスギと同
じです。それから庭木のビャクシン、ミヤマビャクシン、イブキ、これらは全てスギと同じように花粉を飛ばす。
 今のところどんなものが花粉症の原因であるか挙げていますが、スギ、ヒノキ、マツ、ツガ、カラマツ、イチョウ、ヤナギ、カバ
ノキ、シラカバ、ブナ、ニレ、イネ科ではこんなものもある。
 実はこれは、中学校の理科の勉強の復習ですが、風媒花、生殖活動を虫がするのが虫媒花、風媒花は、風に乗って雌花を求めてさ
まよい歩くもので効率が悪くてたくさん花粉を飛ばす。こういうふうに、特徴はここの周りに黒い点々が見えるが、これは、ゴルフ
の玉と同じで、風を抱いてどんどん飛んでいく。実際こういうふうな構造になっている。ここの1つ1つの中に、実は花粉症の原因
となるアレルゲンが非常に含まれているのだが、それは何かというと雄花が雌花にくっついたときに受粉させるために穴を開ける。
この穴を開ける酵素がいっぱいついていて、その酵素が実はアレルギーの原因になる。従ってこれはスギという、あるいは次ヒノキ
を出しますか、ヒノキもここにこの雌花にくっついたときに穴を開けて、自分のDNAを放りこんでやるということが花粉症の原因
である。
 この頃わかってきていることは、花粉という我々が測ってきた花粉が実はこれなのだが、飛んでいる間にその微粉末をたくさん飛
ばす。そのためになかなか花粉症の実態が花粉飛散と合わないという現象が出てきている。
 これは、どういう事かというと、空中、東京ですけども上空0mから1200mまで風船を飛ばして、花粉がどのように飛んでい
るか見ているのだが、地上でどれくらいの花粉が飛んだ時に、その時点で600m、1200mでどのくらい飛んでいるか、実は結
構上空を飛ぶ。現実には高知沖200kmを走っている船でスギ花粉が捕まっている。
 現在は、一般集団、簡単に言えば学校とか職場とかそこでやったスギ花粉症の該当者が、大都市を除くたぶん和歌山県はそれに入
れても良いのでしょうが、近畿地方から関東地方までですが、2000年でほぼ40%を超える人が花粉症であろうと言われている。
和歌山県は、今日県庁のホームページを開いたら105万9千人の人口ですから、簡単に言うと100万人とすると45万人位が花
粉症と言うことになります。
 これは、関東地方のスギ林齢構成となっているが、日本全国こんなもので、この間に、41年から45年、これは9齢級という。
5年で1齢級、花粉を飛ばすのは実はここからで、ここからしか花粉を飛ばさないが、拡大植林が行われて、ここの蓄木がとても進
んでいるので、花粉を飛ばし続けるままこっちに行く。
 今後、私自身は21世紀も耳鼻科は安泰だといっているのは、花粉症は無くならない。木は切られない。こういう事である。
 先ほどご質問を受けたが、何故、私たちが子供の頃花粉症はなかったのに、急に出てきたのかということですが、昭和25年から
拡大造林が起こった木が実はここに来ている。それ以前には日本のスギヒノキの面積は、私は大体5分の1くらいだと思う。
 ただ、残念ながら昭和20年以前の国有林の正確な面積は出ていない。
 スギ花粉は増えているのか。他国では花粉症は増えている。それは何で見ているのかというと、いくつかのデータはあるのですが、
残念ながら日本ではこういうきちっとしたデータはない。スギ花粉症の発症要因は、1つとして花粉があるということ、絶対的に花
粉があるということ。しかし、花粉症になるためにはこういう免疫機能というのが働いて、花粉は私の体のものではありませんよと
いう見極めをする力が必要である。
 その見極めをする力は殆どが内因として親からもらう能力である。そして、内因と外因が重ならないと花粉症にはならない。たぶ
ん50%を超えない。けれども限りなく50%近づくだろうと考えられる。疫学調査というものは非常に重要であるが和歌山では疫
学調査というものが無いようである。
 これは何かというと10万人の人を調べて、花粉症が何人いるかということを毎年毎年重ねていくということである。ヘイフィー
バーというのは、枯れ草熱とか枯草熱とかいうのだが、これはもともと花粉症の始まりである。欧米イギリスで行った調査の命名で
あるが、向こうは牧畜が盛んで冬になったら牧草がないので、サイロの中に草を入れておき、サイロの中に入った人がくしゃみ、鼻
水、喘息するというのがヘイフィーバーであり、これは花粉症の始まりである。ユナイテッドキングダム、イギリスでは大体40%
くらいがじかに発症している人である。アメリカもこのくらいで、スウエーデン、ニュージーランド、やはり牧草野が多いところの
地域ではこういうふうになっている。日本は残念ながら、今そういうふうに経年的に見た調査が無くて、大体13歳から14歳くら
いの子供では20%位が花粉症であろうと考えられる。残念ながら、中国やロシアではそのようなデータはない。今後、彼らは花粉
症の予備軍をたくさんくわえこむと思う。
 今、次の花粉症はどうかというと、日本では下に年齢があるが、こういう風な30代から50代くらいのところにピークが来てい
る。これ以上の年齢の方は極端に少ない。即ち、拡大造林でスギ花粉が増えてきたときに、大量に曝露されたときに10代だったよ
うな人しか花粉症になっていない。
 一定の年齢を超えると爆発的に増えないだろうと考えられる。それ以外に通年生のアレルギー性疾患、これは家のほこりであるが、
それは住宅環境が変わって花粉症と同じ起序ですが、アレルギー性鼻炎となるグループがある。
 これを見てもらうと10代をピ-クにしていることがわかる。
 これは疫学調査の中で、無作為に人口10万人に1人くらいづつ割りあてて調査したものであるが、和歌山県でアレルギー性鼻炎
は、見ていくとスギ花粉症は17.4%、家のほこりを含めたアレルギー性鼻炎全体は27.7%であり、4人に1人以上は医者に
かかったりしているということである。
全国的に見ると、スギ花粉の飛んでいない北海道と沖縄は入らないが、そういった地域に集中している。近畿地方は、奥田と書いて
いるが先々代の和歌山医大の耳鼻科の教授で、現在85歳でかくしゃくとなさっておられますが、20%くらいではないかというデ
ータもある。
 こういったのを全部合わせると最近の疫学調査から確からしいことは、中年に多くて、どうもスギの木が多く植えられているとこ
ろに多いようである。学童ではどんどん年齢別に増えていくし、実は男性に多いということこともわかってきている。私たちは19
94年から京都府の和束(ワツカ)町というところで、ちょうどここですが、京阪奈丘陵でここは産業は何かというと農業で、小学校と
中学校は1つしか無く、そして人口は動いていない。そこで毎年耳鼻科健診をして、花粉症でありますかと血液の検査をさせてもら
っている。
 そこで花粉は毎年たくさん一緒に量が飛ぶのではなく、年ごとに飛ぶ量が違うということはご存じだと思うが、10年前の大飛散
のときに何がおこったかをお見せしたい。これは1994年、実は白いところに注目して頂きたいが、花粉の抗原が飛んできても反
応しない人が6割いた。ところが95年の5月当たると、それが47%と5割を切っている。
 これはどういうことかというと、この1年間に200くらいしか花粉が飛ばなかった年と、2万個花粉が飛んだ年、1が100に
なったときにどんなことがおこったかというと、明らかに50%近い子供が花粉症になってしまった。
 抗体を測ってみると、94年に抗体が0だったグループがそのまま0で有り続けたのは160人しかいない。あと50数人が何ら
かの形で、たった1年で花粉症になってしまうことがおこった。これをずっと見ていくと94年、95年、96年、一生たぶん花粉
症にならないグループが46%ぐらいしかいない。
 大きな花粉飛散がおこった年に花粉症になり、それをずーと持ち続けた子供は7%いる。前から花粉症をもっていた子供は37%、
まれに自然に治ったかなという人がでてくるが、推して知るべしで、結構、花粉飛散が続くと大変なことになる。
 小学校1年から2年でいったん花粉がたくさん飛んだときに抗体ができたが、その次の年にまた陰性になったりしている。去年は
花粉症が無かったのに、治ったと思っていたのに、今年またおかしくなったという人がいるが、長年というか、ずっと追いかけてい
くと、4,5年の内に必ず花粉症になってしまう。
 しかし他のものはどうかというと、スギの花粉がたくさん飛んだときだけ、スギの花粉症ができるのであって、家のほこりのグル
ープなどは、全く関係はしない。
 そういう事がわかってきた。もう1つは、94年から2001年まで、ずっと同じグループを追いかけているが、小学1年生が2
年生、3年生、4年生となり中学3年生まで行くと、このグループは、小学1年生で40%しか抗体をもっていなかったのが、だん
だん増えて小学校を卒業するときには67%が抗体を持つ。
 ほっておくとどこまで行くのか、これは別にこの学年だけでない。ここをずっと見ると結果的には増えていきます。ちょうど14
歳までの間に増えると覚えておいて下さい。そこで第2の数字ですが、和歌山には14万人の0歳児から14歳児がいるが、14歳
の子供は大体6割くらいが花粉症である。
 もう1つおもしろいことがあり、これは賭けみたいなものですが、どの月に生まれた子供が花粉症になりやすいか。オッズ比とい
うのであるが、オッズが1というのは、全く関係ないと思っていただいていいが、この4月から9月生まれの子供たちは、殆ど花粉
症にならない。この時期11月前後から2月くらいに生まれた子供は、ここらへんを1とすると倍くらい花粉症になりやすい。それ
は何かというと、たぶん、お母さんのお腹にいるとき保護されている状態で生まれてきて、最初に外異物を認識する機構ができるの
は生後3か月から6か月くらいである。
 その頃にたくさん花粉を浴びれば花粉症になりやすい。これは別にスギだけでわかっているのではなく、アメリカではホグウィー
ド(ブタクサ)、9月頃になるとキク科ブタクサ属の花粉が飛びます。そのようなデータもあるので、多分非常に確かであると思う。
和束町では、学校に行く前に33%くらい発症しているし、大量飛散年ごとにどんどん増えていく。ただし、完全に花粉症になりき
るまでは、複数年かかる。生後1年間の曝露時期と量が関係するということがある。
 こういう検査をずっと続けて来ているが、もう1つおもしろいことは、横に花粉の飛んだ量がある。そのときに新しく花粉症にな
った人がどのくらいいるかというデータであるが、百個飛んだり、千個飛んだり、1万個飛んだり色々あるが、こちらが対数で、こ
ちらが%で、明らかに相関関係がある。
 花粉がたくさん飛べば飛ぶほど、花粉症の子供が増えます。
 さらにおもしろいことは、小学校行くまでに、家のほこりに感作されている子供たちと、家のほこりに感作されていない子供たち
に分けて、花粉の浴び続けたらどうなるか。
ダニ陽性者というのは、明らかに高水準でスギ花粉症になる。ダニの陰性者、家のほこりに反応しなかったグループは、たかだか2
0%しか花粉症にならない。
 もしかすると花粉症を制御するのは、花粉を制御すると同時に、家のほこりを制御しないといけないのかもしれない、そういう状
況である。
 それで税としての有効活用はどうなるかというと、私なりに考えてきたが、花粉削減への有効な投資というのは、実は、林全体の
手入れをどうするかということもあるが、辺縁木の枝きりや学校や神社の孤立木の制御をすることでかなり違うと思う。
それから庭木の手入れ、これは、ミヤマビャクシンやイブキ、コウヤマキ、みんなスギと同じように花粉症を起こすことをご存じで
しょうが、そういうものはきっちり整備されるべきである。
 それからこの頃、割り箸や温泉ボイラーの脱オイル化が利用されておりますし、漁村との提携等もある。ただ、全然なされていな
いのが医療費における個人並びに自治体における花粉症治療費分担額の調整がされていない。
その1995年と2005年という10年に一度づつの大試算があるが、2005年は、多分薬だけで6000億円ぐらいの薬が花
粉症で使われているはずである。
一般的にお薬屋で買う薬と病院とか医院で処方される薬を合わせてであるが。
それから、確実に地域と関係するのは、ハイリスク児であるとわかっている。ハイリスク児というのは、母親に花粉症があるか父親
に花粉症があって、たくさんの花粉が飛んでくる所に住んでいる子供で、そういう子供を先に見つけて、きちっと手厚い看護をして
あげる。先ほど言ったように、日本の35%がスギ,ヒノキですから、治りませんよということになる。
 しも私にデータをいただけるのならこんなデータをいただきたいと思う。
県並びに行政の森林管理部門による森林整備できる範囲の認定と計画。それから公園管理者や学校管理者による孤立木の抽出。それ
から、こういうふうなことは私には不向きですが、間引きをした木をどう使うかとか、沿岸漁業への森林関与、東北でカキと三河湾
でけっこう実施されていると学会でも報告がある。
また、医療者として興味があるのは国保並びに社会保険の支払基金でどれくらいの医療費が支払われているのか、医療資源は無限で
はないので、有効利用するためには命に関わる所からきちっとした支払いをしていくことになると、花粉症というのは、個人個人が
どうするのか、保険が要るのか、あるいはそれ以外のものが対応するのかという1つのモデルになる。あとは生活不便などこういう
ふうな問題が結構大事だと思うのだが、日本人は、症状が良くなったか悪くなったとかは言いません。しかしスギ花粉症の人は、そ
の時期うつ傾向にあるということがわかっている。それから社会的活動が落ちる。
そういったものがある種、回復するというようなモデルができるのであれば社会的活動が上がれば、そういったことの評価をしなけ
ればいけない。これはQOL(クオリティ.オブ.ライフ)というが、欧米では、スギ花粉症のようなアレルギー疾患は全てじんま疹を
含めてQOL評価である。生活の質が保たれているか、保たれていないかという評価である。
 ちなみに第2世代の抗ヒスタミン薬だけが手頃なので調べてみた。毎年の売り上げは徐々に増えて10年前は1000億円を超え
なかった、今2005年では、もうじき2000億円に達するであろう。これ以外に、これと同じくらい使われているステロイドの
噴霧薬がある。噴霧薬は多分ここに足さない。そうしますと、先ほど申しあげたように医療費にトータル6000億円くらい使われ
ているが、対策は薬だけである。
 ちなみに和歌山県を調べてみると、人口が100万人でそれほど多くない。
 スギがどんな飛び方をするかということについて見ていただきたい。
これは京都の鞍馬山で自然に飛んでいるスギです。10年前にクルーを組んで、うちの医局員が三日三晩寝ずに入って撮ったもので
ある。見ていただくとこれは孤立木である。こちら側にヒノキの林があるが実は孤立木である。孤立木がすごいのは、全ての方向か
ら太陽が当たる、全ての所に雄花をつける。ちょっとしたそよ風で飛び立つが、そこに飛び出したものが、少しわかりにくいがずっ
と流れに沿って鞍馬側の方へ流れていく。そして一部分は上昇気流にのって上に上がるのだが、今見ていただくのは、孤立木が中心
というのがこれで、これは山の際でしか飛ばない。なにも林の真ん中から花粉が巻き上がるのではない。多分こういうデータはあま
り持っていない。
 山林が花粉を産生するということはわかっているけど、どうやってどういうふうに飛ぶのかはほとんど知られていない。
 これは、スギ鉄砲でそこに貼ったものですが、つぶしてみたらこの中に含まれているものは全て花粉である。1つぶの中に、なん
と1000万個の花粉がある。
これが鼻につきますとパンとパンクする。パンクしてぐつぐつと出てくる。
これが花粉症の原因になる、先ほど説明した雄花の中に雌しべ(雌花)の中につっこむものであるが、そのときにこれをつぶすのであ
る。これがこの小さな米粒の中に1000万個入っている。