自由民主党県議団の代表4名がオランダ大使館に出向き、ヘルティー・ムルダー公使、
エノー・ファン・デル・グラーフ一等書記官と面談、捕鯨発祥の地であり約400年の歴史
と食文化を育んできた太地町における鯨・イルカ漁の正当性をあらためて説明し、その妨
害活動を行った団体組織等に対する便宜を与えない等、別紙の抗議文もって申し入れを行
いました。
公使からは、「日本とオランダは長年友好関係にあり、捕鯨に関して考え方に違いはある
が、法を遵守すべき立場には変わりない。」等との回答をいただきました。
イルカ漁等に対する反捕鯨団体等の妨害活動についての抗議
駐日オランダ王国特命全権大使
フィリップ・ドゥ・ヘーア殿
平成23年12月21日
和歌山県議会自由民主党県議団
反捕鯨団体シー・シェパードの支援者で、オランダ国籍のアーウィンマルコピーターア
ド・フェルミューレン容疑者は、和歌山県太地町森浦の堤防で、立ち入り禁止となってい
た区域に無理やり侵入しようとし、ハナゴンドウクジラの搬送作業の警備にあたっていた
男性に暴行を加え、現行犯逮捕となった。
和歌山県太地町は、捕鯨発祥の地として約400年の歴史があり、鯨やイルカを捕って
生き、栄えてきた町で、鯨やイルカなどの鯨肉の食文化や鯨漁に関する伝統行事などが色
濃く残り、今でもイルカ漁は、地域の人々が生きていくための産業として欠かすことがで
きない。
イルカや鯨についても、適切な管理のもとに持続的に利用される海洋生物資源の一つと
して位置づけられ、国が行っている科学的な調査に基づき、資源量が十分な鯨種に限り、
毎年種類ごとに捕獲頭数が定められ、資源保護上問題のない範囲で捕獲している。
しかしながら、太地町では、これまでも何度となく、海外からやって来る過激な動物愛
護団体のターゲットとなり、漁業の妨害や精神的な攻撃を繰り返し受けてきた。イルカ漁
は、国・県の監督のもと、法令規則を守り、昔から受け継がれてきた漁業を営んでいるだ
けで、何ら批判されるものではない。
今回の妨害行為は、長い間太地町でイルカ漁にたずさわってきた人たちの生活権を脅か
し、町の歴史や誇りを傷つける不当な行為であり、決して許されない。
太地町での妨害行為を含め、今日までにシーシェパードは、南極海で鯨類捕獲調査を行
っている日本の調査船団に対し、発煙筒や有害な薬物を多数投げつけて乗組員を負傷させ、
船のスクリューにロープや漁網を絡ませ航行不能を企て、さらに、無抵抗で回避する調査
船に対して体当たりを行い、船体に大きな損傷を与えている。
このようなシーシェパードの悪質で執拗な行為は、海賊行為を禁止し、航行の安全を確
保するための国際的取り決めに違反し、また、シーマンシップにももとる断じて許すこと
の出来ない犯罪行為であり、さらに、人命を無視した思慮のない悪質なテロ行為でもある。
我々はオランダ政府に対し、今後一切、漁業の妨害や精神的な攻撃、さらには人命を危
うくするこのようなテロ行為を行う反捕鯨団体組織並びに支援者に、船籍を付与するなど
の一切の便宜を与えないように強く抗議する。
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