~「パチンコ・パチスロ税(仮称)の創設を考える会」の設立について~

 近年、パチンコ・パチスロ産業は巨大化し、かつて庶民の身近な娯楽のひとつといわれたパチンコ遊技は、
もはや娯楽の域を超えたギャンブル的要素を強く持ち、都市や地方を問わず国内各地にくまなく遊技店舗が
存在する一方、今日多くの社会問題を抱えています。
 「レジャー白書2008」によると、2007年の年間市場規模は22兆9,800億円(参加人口:1,
450万人)で、2004年の射幸性の高いパチスロ機への規制等に伴い、市場規模はピークであった19
95年の30兆9,020億円の約75%と減少しているものの、公営ギャンブル(4レース)の年間売上
額5兆880億円(2007年度)の約4.5倍、国民医療費33兆1,276億円(2006年度)の約
70%に匹敵する巨大マーケットとなっています。
 また、警察当局調べによるパチンコ・パチスロ店舗数は、2007年末現在で13,585店(和歌山県:
2008年末現在、117店)、遊技機台数は4,590,246台(和歌山県:2008年末現在、39,
691台)で、単純計算すると1店舗あたりの年間売上額は約17億円にも及んでいます。
 パチンコ・パチスロは、ギャンブルでないという建前で三店方式による特殊景品を介しての換金行為ができ
ることや短時間で玉(メダル)の大量獲得が可能となる射幸性が高い遊技機の入れ替えが頻繁に行われている
ことから、強い刺激を求めてのパチンコ依存症に陥り、児童の車内放置事故や借金からの家庭崩壊等の悲劇が
起こっています。
 さらには、フリーターやニ-トの温床であったり、青少年の健全育成上における社会問題のほか、ネオンサ
イン、電光掲示板の派手な外装や騒音など、環境面においても様々な問題が存在しています。
 このような状況において、パチンコ・パチスロ業界に対し、法的には違法ではないと認められているものの、
和歌山県内では、これ以上、過激な射幸心を煽る野放しの営業、新規出店の抑制と併せてパチンコ依存症によ
る家庭崩壊等、社会問題への警鐘の意味を含め、和歌山県独自の発信ではありますが、地方税法の規定により
課すことができるとされている法定外税として、パチンコ・パチスロ税(仮称)の創設を検討してまいりたい
と考えております。
 つきましては、和歌山県議会自由民主党県議団有志において、パチンコ・パチスロ税(仮称)の創設を考え
る会を立ち上げ、勉強会を開催し、広く情報収集に努めるとともに世論の情勢も見極めながら、パチンコ・パ
チスロ税(仮称)の創設を検討してまいります。
 
                  平成21年3月19日
                       和歌山県議会自由民主党県議団有志 座長 山 田 正 彦